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医療費控除は何が対象になって何が対象外なの?

病院の通院や薬などに支払った領収証を集めて、いざ医療費控除の申請をしようと思っても、「これって控除の対象になるのかな?」と手が止まってしまうことはありませんか?

そういうときはプロにお聞きするのが一番!

というわけで、今まで確定申告のたびに、申告会場で税理士さんに毎年色々とお聞きしてきました。

はじめは税務署関係の方々は厳しいのかなと勝手にイメージしていましたが(ドラマの見すぎ?)、みなさんとても親切にわかりやすくかみ砕いて教えてくださいましたよ。

その際に聞いた、何が対象になるかの基本的な概念と、「これは対象?」「これは対象外?」を記事にしてみました。

お役に立てれば幸いです。

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医療費控除の対象外となるもの

医療費控除の対象になるものとは、「病気の治療にかかった費用」というのが基本概念で、「現状をより良くするための費用」は対象にはなりません。

例えば、より健康になるためのプロテインやビタミン剤、より美しくなるための整形の費用や、普通の近視や遠視の視力矯正のための眼鏡などは医療費控除の対象にはなりません。

ですので、物品の場合には、どちらかなと迷ったときには「この費用は『病気』を解決するために必要だったのかな?それとも『悩み』を解消するために使ったのかな?」という視点で考えるといいようです。

もちろん、病気の解消も大きな悩みとはいえますので、病気と悩みの明確な線引きは難しいかとは思いますが。

例えば、栄養ドリンク剤は「医薬品」と書いてあっても、病気を治すというよりは「今眠くなると明日までにこの資料が作れないから頑張るために」ですとか「疲れて家事ができないので元気をつけるために」という健康増進が主な目的なので、医療費には含まれません。

人間ドッグや健康診断の費用も、同じく病気を治すためではなく予防のための費用なので控除の対象とはなりません。予防接種もそうですね。

物品ではなく、介護などの場合は、プロに頼んだかどうかが分かれ目になります。
病院に搬送するのにも、介護するのにも、親族の手を借りた場合にその対価として支払った費用は対象外です。

これは、不正などを防ぐためには仕方がないのかなとは思いますが、現実には人手が必要なのに介護認定されない場合や、我が家でも他人による介護を嫌がる親族の世話などで苦労しましたので、ちょっと複雑な気はします。

医療費控除の対象となるもの

これは確定申告の際に税理士さんたちにお聞きしたことではなく、確定申告以外の期間に税務署の職員の方たちにお聞きしたことなので、さらに原則にのっとった厳密な概念なのですが、そもそも「医療費」が本来意味するのは「処方されたもの」なんだそうです。

ですので、病院へ行ってお医者さまに処方箋を書いてもらって頂いた薬や、治療費などを指すもので、自分でドラッグストアなどで買ってきた市販薬などは「それもまぁ含めてもいいでしょう」レベルのものだったんですね。

私が「どちらかな?」と思って回答をいただいたものを中心に列挙します。

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・テーピングのテープ
これはスポーツ用品ぽくて医療品ぽくないかなと思っていましたが、子供が足をねんざしてしばらくして部活に出る際に、お医者さまに「シップ薬は出しておきますので、テーピングは自分でドラッグストアで買って巻いてくださいね。」と言われて、テーピングの巻き方の説明書だけ病院でいただいたという話をしたら、税務署の職員さんにOKと言われました。

・おむつ
これも医薬品ではないですが、要介護認定を受けていれば認められます。2年目以降の控除申請では、市町村長などが交付してくれる「おむつ使用証明書」というもので領収書の代わりとなります。

・交通費
病院に通う交通費も認められます。税務署の医療費控除の紙には「病状からみて急を要する場合に病院に収容されるため」ならと書いてありましたので、救急車で搬送するレベルでないとダメなのかと思いましたが、それはタクシーを使う場合の話で、バスや電車などの通常の交通機関ならかかった費用を家族全員分一覧にしただけのものなどでもまったく問題なく通用すると言われました。

・鍼灸、整体
これも、健康維持のためならNGなのですが、病気を治すためならOKと言われました。普段はまったく縁がなかったのですが、一度、難病指定されているけれど公費負担助成の対象からは外れている病気になったときに、病院の薬を飲んでも改善しなくて鍼や整体に大変お世話になったことがあります。(西洋薬より鍼灸などのほうが効果がある一部の病には、保険を適応してくれればいいのになぁと痛感しましたが、医療費控除で少しだけ救われた感がありました^^;。)

・歯列矯正
これはなんだか「現状をより良くするための費用」な気もするのですが、まったく大丈夫と言われました。歯列矯正はかなりの費用がかかりますので、家族の誰かが歯列矯正を受ける場合にはまず医療費控除のことは頭に置いてくださいね。

まとめ

もし、税務署がお近くにあるのでしたら、直接確定申告の期間中に足を運ぶと、その地域によっても違いはあると思いますが、たいていは相談できる税理士さんたちが期間限定で大勢駆り出されて待機していますので、その場で「これはOK、これはダメ」などと教えてくれます。

ただし、確定申告申請期間の終了まぎわの3、4日は本当に混みますので、長時間並ばないためにはそれより前に行ってくださいね。

最も丁寧に教えてもらうには、確定申告とまったく関係のない、4月から12月までの普通の日に税務署窓口で相談することです。

私も、一度口頭だけでいくつか質問をしに行ったところ、「ケースバイケースのものもありますので直接気になっている領収書を全部お持ち頂けましたら一緒に一つ一つ見ていくことができますよ」と言って頂いて、その後実際に領収書を持って行って教えて頂いたこともありました。

ただ、色々お聞きして感じたことは、税理士さんによっても税務署の職員さんによっても、判断には多少の個人差はありました。

ですので、よほどグレーなものでなく、医療費の原則から逸脱していないのではないかと自分で判断したものは、入れてしまって申告して、最終決定する行政の担当の方の判断を仰ぐのも手ではないかなと今は思っています。

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